教組の花嫁

 「ええ、言ったわよ。それでも、教組様はあの女を捨てる気は無いんだって」


 「教祖は俺と星野さんの仲を聞かされても、星野さんを愛していると言ったのか」

 北河がほのかに尋ねた。


 「そうよ。悔しいけどそう言ったわ」
 「そうか。それは良かった」


 「何がいいのよ」


 ほのかが北河に強い口調で言った。


 「星野さんには、幸せになって欲しいんだ」
 「畜生!どいつもこいつも、私を馬鹿にしやがって」


 ほのかが、夜叉みたいな顔で北河を睨み付けた。


 「・・・」
 「あんな女のどこがいいんだよ~。ざけんな!!」


 ほのかは捨て台詞を残すと、急いで走り去って行った。ほのかの目には、苦やし涙がいっぱいに溢れていた。





 
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