教組の花嫁
11話 親子の行方


 道心は、小波と永心の行方を血眼になって探していた。


 教団の職員や、探偵事務所にも捜査を依頼して二人を探した。
 そんなある日、探偵事務所から道心の元へ、二人が見つかったと電話が入った。



 二人は意外な場所にいた。
 教団の本部から、自転車で10分余り。


 小波が道心と結婚するまで住んでいた、小波の前のマンションだった。


 探偵事務所は、『命の泉』の会員名簿から、前の小波の住所を割り出した。そして、隣近所から情報を得ようと、マンション付近で聞き込みを開始。買い物に出掛ける小波を、偶然見付けたのだ。



 道心は探偵事務所からその報告を受けると、急いで小波のマンションに向った。
 小波のマンションは、3階建ての建物の2階にあった。
 202号室には、表札は無かった。



 道心が、深呼吸をしてからインターフォンを押した。





 
< 220 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop