教組の花嫁
11話 親子の行方
道心は、小波と永心の行方を血眼になって探していた。
教団の職員や、探偵事務所にも捜査を依頼して二人を探した。
そんなある日、探偵事務所から道心の元へ、二人が見つかったと電話が入った。
二人は意外な場所にいた。
教団の本部から、自転車で10分余り。
小波が道心と結婚するまで住んでいた、小波の前のマンションだった。
探偵事務所は、『命の泉』の会員名簿から、前の小波の住所を割り出した。そして、隣近所から情報を得ようと、マンション付近で聞き込みを開始。買い物に出掛ける小波を、偶然見付けたのだ。
道心は探偵事務所からその報告を受けると、急いで小波のマンションに向った。
小波のマンションは、3階建ての建物の2階にあった。
202号室には、表札は無かった。
道心が、深呼吸をしてからインターフォンを押した。