教組の花嫁

 「君が戻れる環境を造るから」


 小波を戻りやすくする為に、道心はある提案をするつもりでいた。


 「戻れる環境?」


 この言葉に、小波が反応した。



 「ああ、泰子と離縁して、君を正式の妻にするつもりだ」



 道心が、小波の反応をしっかり見て言葉を続けた。


 「今、どれ位まで進んでいるのですか」
 「調停離婚の最中だ」


 「うまく行くのですか」


 小波は半信半疑の様子。


 「裁判まで行くだろうな」


 「裁判・・・。いま、奥様はどうされているのですか」
 「あのまま、家に居座っているよ」


 道心が罰悪そうに答えた。






 
 あっははっはははっ・・・。






 小波が、行き成り大声を上げて笑い出した。







< 223 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop