教組の花嫁
「君が戻れる環境を造るから」
小波を戻りやすくする為に、道心はある提案をするつもりでいた。
「戻れる環境?」
この言葉に、小波が反応した。
「ああ、泰子と離縁して、君を正式の妻にするつもりだ」
道心が、小波の反応をしっかり見て言葉を続けた。
「今、どれ位まで進んでいるのですか」
「調停離婚の最中だ」
「うまく行くのですか」
小波は半信半疑の様子。
「裁判まで行くだろうな」
「裁判・・・。いま、奥様はどうされているのですか」
「あのまま、家に居座っているよ」
道心が罰悪そうに答えた。
あっははっはははっ・・・。
小波が、行き成り大声を上げて笑い出した。