教組の花嫁
 
 それから数日後の深夜。


 一台の大型トラックが、泰子の家の前に止まった。


 ピンポン。

 
 アルト引越しセンターの制服を着た作業員が、インターフォンを押した。


 「アルト引越しセンターです」
 「入ってんか」


 泰子が作業員を中に入れた。
 作業員が各部屋を見ましてから、4人の作業員と運転手で作業を始めた。


 4人の作業員は手馴れたもので、てきぱきと家具をトラックの中に運んだ。
 あっという間に、3LDKの部屋が空っぽになった。


 泰子が、空っぽになった部屋を一部屋一部屋点検した。





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