教組の花嫁
小波と永心を迎える準備が整うと、道心が小波のマンションを訪ねた。
小波は部屋に入って来た道心の表情を見て、良い方向に物事が進んでいると直感した。
道心が微笑みながら呟いた。
「今日は良い話を持って来たよ」
「少しは環境が改善されましたか」
小波は物事が良い方法に改善されたか、道心に尋ねた。
「大いに改善されたよ。実は、泰子と離婚が成立したんだよ」
「離婚が成立。本当ですか」
小波は半信半疑。
「本当だよ。泰子は、もう家を開け放したからね」
道心は、逸る気持ちを抑えてこの言葉を口にした。
道心が、小波の表情を逃がさないように凝視した。
(脈は有る)
(大いに有る)
道心は小波が家に戻ると確信した。