教組の花嫁

 「それでは、乳母に成らないだろう」
 「では、どうしたら・・・」


 あくまでも道心の意思に。それで、百合葉は尚も惚けた。


 「う~む。そうだな。千葉君と永心が1階、小波は3階で暮らせばいいだろう」


 道心が、百合葉の筋書き通りの解答をした。


 (これで私の思い通りになった)


 百合葉は、心の中でにんまりと微笑んだ。

 「その取り決めは、いつからでしょうか」

 百合葉は、今日からでもそうしたかった。


 「私が小波と話をつけてから。君には、また連絡するよ」
 「わかりました。では、ご連絡をお待ちしています」


 百合葉は道心からの色よい返事を、首を長くして待つ事にした。





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