教組の花嫁
「わかりました」
小波が答えた。
「少しでも漏れれば、あなた達二人の連帯責任だと思っていてね」
「私絶対に喋りませんから」
「私も」
小波と純が顔を見合わせて。
「なら、結構よ。じゃ、2階で着替えをしてもらえる」
二人は、着替えを済まし住居棟を去って行った。
二人が帰るのを見届けると、百合葉はバーに引き返した。
百合葉は後片付けを済ませると、カウンターの中央の椅子に座り、永命をグラスに注いだ。
グラスの酒を百合花は、一気に飲み干した。
胸がカーと熱くなった。
百合葉は道心の顔と姿を、そして話す言葉をはっきりと思い出していた。
「教祖様は星野さんに興味を持っている」
百合葉は女の勘で、そう直感した。