教組の花嫁
「教祖様、動的瞑想ですか?」
教祖の作業する姿に、小波が感動しながら呟いた。
「よくわかったね。掃除、雑巾がけ、庭園の掃除、草むしり。私は瞑想室で瞑想するより、作業をしている方が煩悩に煩わされないのだよ。君は瞑想室で瞑想してくれ。ひと区切りつけば、私もそちらに行くから」
道心は決して掃除を休めようとはしない。
「わかりました」
小波は先に瞑想室に入った。
瞑想室は6畳の和室だった。
床の間があり、「命」と力強く書かれた書文字の掛け軸が掛けられている。
それは、あやめの生け花と絶妙な組み合わせを成している。
小波は急いでジャジーの上下に着替えると、あぐらを組み、瞑想を始めた。
(この部屋は不思議な位に落ち着く)
小波はこの部屋に入った時から、そう感じていた。