教組の花嫁
 
 大勢の信者たちも、自分を特別扱いしている。


 それが、自分も受けられない特権を、事もあろうに、受付で自分の隣に座っているあの小娘が受けている。


 この事実にほのかは驚愕とした。



 「許せない」



 「絶対に許せない」



 ほのかは独り言を呟いた。そして、めらめらと火のように燃え上がる怒りを、必死で抑えていた。


 (惨め過ぎるわ)


 ほのかは小波が入った瞑想室を眺めながら、唇をきつく噛み締めていた。





 
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