教組の花嫁
 
 受付の前は、写真を撮る人の輪で混雑していた。


 3日の休みを利用したほのかの自発奉仕も、今日が最後の日となっていた。


 ほのかは小波の顔を、自然に見る事は出来なかった。それで、出来るだけほのかは、小波とは目を合わせないようにしていた。


 突然、ほのかが、写真を撮る信者に手招きをした。


 「わ、私ですか?」


 手招きをされた信者は驚いた表情をして、自分の顔を人差し指で指差している。

 「ええ、そうよ。悪いけどその写真を見せてもらえない」

 ほのかが口を開いた。


 「いいですけど」


 困惑したような顔をして、その信者が答えた。


 ほのかは携帯電話を受け取り、液晶画面を見た。


 ほのかを中央に、向かって右に小波。左に美和が並んで写っている。





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