教組の花嫁

 「それは受け取れません」


 隊長がチッシュで包んだお礼を辞退した。


 「そんなに堅い事を言わんでも」


 そう言って百合葉は、隊長の上着のポケットにそれを押し込んだ。


 「本当にお世話になりました」


 二人は救急隊員たちにお礼を言った。


 救急車が帰って行った。




 二人が急いでガレージの中に入った。


 中には、教祖の道心が二人を待っていた。
 二人が中に入ると、シャッターが閉められた。


 「うまく行ったみたいだね」


 道心は、お婆さんに変装したほのかの顔を見てにやにやと笑っている。






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