【短編】腕時計。
腕時計。
「えっと……。まだ行けるか」
同僚と外回り、時刻は夕暮れ。歩道で同僚は立ち止まり、腕を上げて肘を曲げた。裾からのぞく腕時計を見るとそう呟いた。
「もう一軒回ってから帰社するか」
「そうですね」
総務部から回された私は同期と言えど彼は先輩に当たる。私はこの同僚のサポートとして最近は一緒に行動している。
営業だから身嗜みはキチンとしてる。ノリの効いたシャツ、緩まない結び目のタイ、磨かれた靴。男の色気ってこういうところに出ると思う。
そんな同僚の一番好きな仕草は腕時計を見るところ。首を傾げるようにして袖口を覗くのは可愛いというか。
つい、下から見上げてしまう……。
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同僚と外回り、時刻は夕暮れ。歩道で同僚は立ち止まり、腕を上げて肘を曲げた。裾からのぞく腕時計を見るとそう呟いた。
「もう一軒回ってから帰社するか」
「そうですね」
総務部から回された私は同期と言えど彼は先輩に当たる。私はこの同僚のサポートとして最近は一緒に行動している。
営業だから身嗜みはキチンとしてる。ノリの効いたシャツ、緩まない結び目のタイ、磨かれた靴。男の色気ってこういうところに出ると思う。
そんな同僚の一番好きな仕草は腕時計を見るところ。首を傾げるようにして袖口を覗くのは可愛いというか。
つい、下から見上げてしまう……。
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