独りじゃないよ
いつも私の事を気にかけてくれる彼。


心配する彼は私の頭に手をおき笑った。



「一人に出来ないから、一緒に行こう」



そう言ってくれるのは嬉しいけど、私は首を横に振った。


彼と一緒にいれば、別に不良集団は怖くない。


守ってくれるって信じてるから。


理由はそんな事じゃなかった。



「なんか、気持ち悪くて……中に入りたくない。 何かあれば叫ぶから、行ってきて」

「……分かった。 何かあったらマジ叫べよ?」

「うん」



彼が背を向け歩き始めると、私は立っていられなくてその場にしゃがみ込んだ。


胸のあたりがムカムカする。


気持ちが悪い。


それに寒気もする。


早くこの場から立ち去りたかった。


でも不良集団と意気投合してしまったのか、彼や青木君、山田君は楽しそうな声を上げている。


暫くは戻ってこなさそう。


誰とでも直ぐ仲良くなっちゃうから不思議。


そういうところも好きだけど、今はそれがなければ早く帰れるのにと思った。


まぁ、喧嘩になるよりは全然いいけどさ。





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