独りじゃないよ
処置室に案内所され、促されるままベッドに仰向けに横たわった。


腕に点滴の針を刺され、動かない様にテープで固定された。



「終わりそうになったらナースコールで呼んでね」



私が頷くと、看護師さんは部屋から出て行ってしまった。


一人きりの処置室は凄く静かだ。


カーテンの隙間から零れる太陽の光。


部屋は心地よいくらいの明かりと温もりに包まれているのに、寂しくてしょうがなかった。


涙が溢れる。


どんどん視界がボヤけていく。


ジッとしていられず、制服のスカートから携帯を取り出しお母さんにメールを送った。


“喉が腫れちゃって、◯◯病院に今日から入院する事になっちゃった……”


そう送ると、直ぐにお母さんからメールが帰ってきた。


“直ぐ向かうから安静にしてなさい”って。


余計に涙が溢れた。


枕を濡らしながら嗚咽が漏れる。


高校生にもなって恥ずかしいと思いつつも、止まらなかった。


仕事中で忙しいにも関わらず、直ぐに連絡をくれた事が嬉しくて、直ぐに来てくれるんだと思うとホッとした。


乱れていた呼吸も次第に落ち着き、点滴が終わる頃にはいつも通りに戻っていた。


お母さんの存在って凄いなって、改めて実感した。





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