独りじゃないよ
綺麗な顔が怒りのせいで歪んでいる女性。


それでも綺麗だから、余計腹立つわ!!



“意味わかんない!! そっちこそ早く出て行ってよ!!”

「あんたが出ていきなさいよ!!」



ずっと同じ事の繰り返し。


キリがないと思いつつも、つい言い返してしまう。


思わず私の方が先に折れてしまった。



“今度ゆっくり話し聞きますんで、今日のところはお引き取り頂けませんでしょうか?”



私の思いが伝わったのか、彼女は渋々といった感じではあったが、スーッと静かに消えてしまった。


安心した私も、スーッと夢の中に引き込まれてしまった。


次に目を覚ましたのは、彼の声がした時だった。



「ただいま」



私のさっきの出来事も知らず、能天気な顔で言われ、私も「お帰り」と普通に返してしまった。


女の感とは凄いもので、突然ビビビッとくるものだ。



「元カノの写真見せて」

「え!? 何、いきなり」

「いいから見せて」



残ってるかは分からなかったが、彼は渋々といった感じで携帯を差し出してきた。


残してるんかい!!


っと、突っ込みたい気持ちを堪え、彼の携帯の画面を見た。





< 39 / 43 >

この作品をシェア

pagetop