僕らの終わりと始まり
春
枯れ葉ばかりだった木々にはすでに新しく緑がつき、桜の花が満開になる頃だったかな?。
だんだんと空気が暖かくなり心地よい風が吹きはじめた。
空は眩しいくらいの快晴で太陽の光がいっぱい降り注ぐ。
風は草木をゆらし、優しい音を奏でてくれる。
山沿いの田舎道を少し登った辺りから水の流れる音がする。
とても疲れが飛んでしまうような癒される音。
木漏れ日の中、この道を登って行くにつれてだんだんと肌寒くなってきた。
君は捲っていた上着の袖を元に戻した。
久しぶりだね。
ここ何年か、人と話をしてないんだ。
大きくなったんだね。
ふと、君は僕のほうを見下ろした。
「しかし、久しぶりだなぁぁ、もう誰もいないとなるとちょっと淋しいよな。」
‥‥‥‥‥‥‥‥完