地味なあの子は鬼狩り少女3 〜深紅の瞳〜
「――芽有、下がって!!」
咄嗟に私は、芽有を背中に庇ってその男性と対峙した。
そのまま後ずさり、男から少し距離をとる。
『人間から、これだけの鬼の匂いがするなんて――…
まさか、5段階目の鬼!?
……その割には、愁君が憑かれた時に嗅いだ、泥と血の匂いがしないけどなぁ』
……と考えつつも、臨戦体制。
スカートのポケットから『符』を取り出し、油断無く構える。
――しかし、男は動かない。