地味なあの子は鬼狩り少女3 〜深紅の瞳〜



私は、再び朦朧としてきた意識を覚ますため、ギリ…と奥歯を噛み締めると。



「皆で、はやく……逃げ、て」



いま出せる一番大きな声で、外へ出るように促した。


それと同時に、


「芽有……閉めなさい」

「はいっ」


耳朶に届いたのは、おじいちゃんと芽有の声。

そして、


――――ギィッ、


と音を立てて、視界の端で扉が閉まる。



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