地味なあの子は鬼狩り少女3 〜深紅の瞳〜
そういえば…確かに、そうだ。
【忌み子】の意味を教えられたその時から、私は周囲の物を全て遠ざけている節があった。
『……嫌われるのが、怖かったから?』
嫌われるなら、むしろ自分から嫌われるような行動を取ろう。
そうしたら、『嫌われる』ではなく『嫌わせた』事になるから。
そうすれば、例え誰からも愛されなかったとしても――自業自得だから、と言って諦める事ができる。…自分の心が傷付くのを、守る事ができると思ったから。
――…でも。
「……芽有」「……お姉っ、」
おじいちゃんのように、見返りを求める事もなく
無条件で、受け入れてもらえたのだと――そう実感した今なら、分かる。