地味なあの子は鬼狩り少女3 〜深紅の瞳〜





「……それなら、どんなに良かったかなぁ」



私は誰にも聞こえないように小さく呟きながら、おじいちゃんの霊力を全て吸い取った。


その瞬間、先程まで赤かった霊力が一気に漆黒へ染まり……そのまま、その場に膝から崩れ落ちた。



「神無!」



おじいちゃんの身体をしっかりと押さえながら、こちらへ心配そうな視線を送る龍真。



「神無ぁ!」「お姉ッ!」



互いの身体を支えながら、私の事を呼ぶ、兄ちゃんと芽有。



「神無さん!あと少しです!」


「神無ちゃんっ!」



結界を維持しながら叫ぶ蓮さん。


私に、『人守り』の霊力で強化された――銀色に光る一振りの長剣を渡す琥珀ちゃん。


私は、力の入らない自分の身体を叱咤し、琥珀ちゃんからその剣を受け取ると




< 475 / 514 >

この作品をシェア

pagetop