地味なあの子は鬼狩り少女3 〜深紅の瞳〜
俺の言葉に、一度だけ体を跳ねさせた神無は
「ん。……ありがとう」
そう言うと、俺の胸にぐりぐりと頭を擦り付ける。
その動作がまた、甘えてくる小動物のようで…俺は胸の中から愛しさが溢れてくるのを感じた。
寝ていたせいか、少しボサボサになった黒髪に指を差し込み、ゆっくりと梳いていく。
「ふぁ……」
気持ち良さそうに目を閉じ、体から力を抜く神無。
そんな安心しきった神無の様子を見て、胸の奥が温かくなるのを感じながら。