地味なあの子は鬼狩り少女3 〜深紅の瞳〜
「ごっ、ごめんなさーいっ!?」
なっ、何が起きたのか分からないよぅ!
パニックになった私は、とりあえず謝りながら後ろを振り返る。
誰なのかな、天使さんかな…なんて考えつつその人の顔を確認して、
「…………へ?」
思わず、固まった。
だって、
「ったく!何ムチャしてんだよ神無は!!危ないだろうがっ」
そう言って眉を吊り上げ、顔全体で『怒り』を表現しながら私を見上げてくるその人は――…
「いっ、樹(イツキ)ぃ!?」
「おぅ!久しぶりだなっ!!」
…――片桐樹。
ついこの前、霊樹の『芯』として消えたはずの……幽霊さん、だったから。