蹴散らせ!
「…ってところで起きたんだよねぇ」
少し朝早い教室でポッキーに齧りつきながら私は言う。女の子のお喋りにお菓子は必需品だろう。
「あんた馬鹿じゃないの」
これまたトッポを齧りながら言うのは親友の紅(ベニ)。大人っぽくてすらっとした美人で、私の憧れでもある。だが口は悪い。
「夢なんて滅多に見れないんだから、最後まで見なさいよね」
「確かにそうだけどさ、目が碧色って実際考えると怖くない?」
「そういう問題じゃないでしょう」
そうだ。そもそもネバーランドなのであって、外国ではないのだから。
「本当に日和(ヒヨリ)はそういうの興味無いよね」
「だって絶対黒い目のほうが綺麗だし」
きらきらと輝く目、そんな目が私は好きだった。
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