恋せぬ乙女
「いないって言ってるじゃん。」

「絶対いるよ。まどか可愛いし。」

しつこく聞いてくるもんだから

ちょっとイラツキながらも

「いない」ときっぱり否定する。






いたとしても絶対に教えたりしないと思う。

教えても意味なんてないから。

それにお世辞なんていらない。

私は自分の恋について聞かれるのが嫌い。

聞かれるたんびにあのことを

思いだすから。




あのこととは小学校5年生に告白した

トラウマのこと。

トラウマと言うと大げさかもしれないけど

私にとってはそれぐらい

つらかったことだから。





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