“隣の不可思議くん”
「それはあんたの誤解だろう?あいつらは優しすぎんだ。」
ただそれだけの話だと捨て台詞を吐いて馨を抱き上げて大晴という男は部屋を出て行った。
「あんた達も許さないんだから!」
「お主に許してもらうことなど何もない。許してもらうのはお主のほうだ。弟は返してもらうからな。」
それ以上は振り返ることなく海廉と呼ばれた男も姿を消した。
神大寺の家を出ると先に出て行った大晴もとい大樹が、馨を抱えて待っていた。
「俺さー思うんだけど、あいつら宿る相手間違えたんじゃね?」
「それは言うな・・・。」
気にしているのか、大樹は一喝した。