“隣の不可思議くん”
そんなことはどうでもよくて、今は気を失ってしまっている弟を見て何故もっと早くこうしていなかったんだろうと悔いた。
確かに、弟との約束で黙っているとは言ったがこんなことになるんだったら自分達が罰を受ければよかったと思う。こんなことをされたのに、彼女に「ごめんね」と謝っていた弟は自分たちなんかよりよっぽど大人であった。
謝らなければいけないのは自分達の方なのだ。今まで知っていたのに全部見ない振りをして弟を差し出していたのだから。
「不がい無い兄ですまない・・・。」
「大樹が不がいなかったら俺はもっと駄目だね・・」
冗談を言いながら甲斐の目には涙が浮かんでいた。