“隣の不可思議くん”


「んー‥?バナナの皮で転ぶ人」


なんでしょう。とっても不思議すぎる本を読んでいます。面白いのでしょうか、ちょっと前言を撤回したいです。やはり、不可思議くんです。



「西園寺さんも読む?面白いよ‥」



「あっえっ、私は遠慮しておきます。お気持ちだけ‥」



そうとなんだか残念そうにしています。読むべきだったのでしょうか‥。ですが、読んでも感想が述べられなかったら失礼ですしっ!
あぁーっと‥頭を抱えて悩んでいると彼はすっと立ち上がった。



「そろそろ、帰らないとね‥」


「あっ、はい長い間お時間とらせてすみません。」


「俺が勝手にいただけ‥気にしないじゃぁ帰るね‥?」



荷物を持って扉へ歩んでゆく彼の背中を見ていたら声をかけずにはいられなかった。


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