“隣の不可思議くん”
「あのっ、神谷くん!また、明日っ」
扉の前でくるりと振り返り小さく笑い手を振ってくれた。
今日は、とてもとても不思議な一日でした。明日学校にくるのが楽しみになりました。
くすっと笑ってから鞄を持ち、不可思議くんにとってもらった本を先程戻ってきたのか今度はいる、図書委員に返却し帰路へとついた。
「また、明日か‥」
先ほど言われた言葉が頭の中で響いていた。そしてまた別の者の声も。
「わかってる、彼女似てるんでしょ‥?」
それはまた今度ね。彼1人しかいない道で隣に誰か居るのではないだろうかと感じさせる彼の呟きはとても不思議なものだった。