“隣の不可思議くん”
授業が始まるぎりぎりには彼は戻ってきて席に着いていた。一体何だったのだろうか?いつもは、あっという間に過ぎ去る授業の時間はとても長く感じた。黒板を叩くチョークの音がなんだか酷く遠くに感じられるほどだった。
キーンコーンカーンコーン‥‥
チャイムの音で我に返りふと彼の席を見てみるがすでにどこかへいってしまった後だった。そういえば、お昼はいつも教室にはいなかった気がする。
「華乃、お昼食べよ?」
「あっ、はいもうお腹ぺこぺこです!」
お弁当を鞄から取り出し包みを広げながら頭の隅っこで今朝のことが表れる。