“隣の不可思議くん”
噂とはどうして流れるのでしょう。
神谷くんはそんな方ではないのに。
神谷くん本人は知っているのだろうか?そんな考えが頭をよぎる。もし本人が知っていたのだとしたらこれはどれほど悲しいことなのだろうか。
今まで一人で誰にも話せず耐えてきたのだろうか?そう思うととてもいたたまれない気持ちと悲しい気持ちがこみ上げてきた。
「そんなの悲しすぎます・・・」
自分以外誰もいない教室にその言葉は似合いすぎるほどだった。彼のことを考えると自然と涙がこぼれてしまった。周りの評価と自分の評価はあまりにも違いすぎることにショックを隠せなかった。
ガラガラ・・・
はっと、音に気づきそちらを見れば彼がたっていた。気づかれないように涙をぬぐい笑顔で彼を見る。
「何か忘れ物ですか?」
「・・・」
彼は黙って近づいてきた。