“隣の不可思議くん”



「仲良くしてほしいです‥うー‥」


ぼろぼろと泣き出す華乃にやってしまったと思った。自分はいつもだ。彼女を大事にしたくて、取られたくなくて空回りしてしまう。


「西園寺さん‥泣かないで、ごめんね‥?」


華乃にハンカチを渡しながら目洗っておいでと言う神谷。それを受けとり屋上を出ていく華乃の背中を見送りながらなんともいたたまれない気持ちになった。


いつまでも、自分の理想を彼女に押しつけるのはよくないわかっているがなかなか行動に移せない。


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