“隣の不可思議くん”
「あっあの、その本です!」
そういうと、彼は「そう」とだけ短く答え先程まで自分が座っていたであろう席に腰かけ読みかけであった本へと目を落としたのであった。
本を受け取った本人は、彼と本を
交互に見比べどこか嬉しそうに
腰をおろした。目的であった彼の肩に乗っている鳥をちらりと盗み見ページをめくっていく。
ある程度読み進めたところで彼の肩にとまって居るものと全く同じ鳥があらわれた。
「(ひばりさんと言うのですねっ!他の鳥さんも可愛かったですが、やはりひばりさん可愛いですっ!)」
ふと顔を上げてみると不可思議くんとばっちり目があった。何か気に障っただろうかと申しわけなさそうに声をかけた。