“隣の不可思議くん”
電話を終えた母さんが俺達のいた居間に顔をだした。
「今、神大寺のお家から電話があって・・・今から来なさいだそうよ。」
伝言を伝えるだけの母さんはとても心苦しそうにも見えた。最初に腰をあげたのは大樹兄さんだった。
「行くぞ。」
「そーだねぇ・・・ぐずぐずしてると珠希りん怒っちゃうよんっ」
嫌そうな顔をしながらも次に腰をあげたのは甲斐兄さんだった。兄さん達もなんとなくわかっているのだと思うが何も言わずに歩きだした兄さん二人の後を着いて俺も歩きだした。
ぼんやりと兄さん達の背中を眺めながら歩いていたら、着いてほしくない家にあっという間についてしまった。