“隣の不可思議くん”
なんともつまらないと言った表情の彼女は諦めたのかそれ以上何も聞いてこなかった。
「まぁ、いいけどね。馨は珠希のだから。」
にっこりと笑う顔が年下の女の子ができるとは思えないほど大人びていて凄く滑稽なものであった。
「大樹も甲斐も3人ともみーんな珠希のだよ?」
それは、純粋に言っているものではなくて俺達3人の耳には違う意味に聞こえていた。
”逃げることなんてできないんだよ?”
呪いという言葉があるとしたら、俺達兄弟にかかっているものは一生彼女から逃れることは決して叶わないということではないだろうか。