“隣の不可思議くん”
「あの‥何か?」
「あぁーっと‥」
そう言いながら頭を掻けば思い出したのかおもむろにまた口を開いた。
「そういえば、なんでそんな分厚い本みたかったの‥?」
分厚いと言いながら先ほど自分がとってあげた本を一瞥してから彼女へと視線をうつす。確かによっぽどの趣味でないかぎりこんな分厚い鳥図鑑をそうそう見ようと思う人はあまりいないだろう。
「(どうしましょう、これは言うべきなのでしょうか、それとも‥うーんと、えっーと‥)」
自分が思ったことをはっきり言うべきか黙っておくべきか、困り果て悩みこんでしまう。