*曖昧模糊*







「ごちそうさま、」





食べ終わると彼は眠そうな顔をする

いつもいつも、もう少しだけいてほしいって

思ってしまっているのに





「お邪魔しましたー」





ただ、ご飯を食べて

少しばかりの会話をして

彼の背中は消えていくんだ




ドアが閉まるたびに悲しくなる

泣きそうな気持ちになる





きっとこの先もずっと

これ以上になることはないと思う





それは自分がよくわかってるもん

隣の部屋の音に敏感になってしまう





彼の気持ちは何も変わらないのに

あたしの気持ちだけ膨らんでいくのが

・・・・・・・・・・・怖い










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