*曖昧模糊*








亮平くんがあたしに背を向ける

カバンから鍵を出してドアを開けた





「・・・・・・・雛ちゃーん!」



「え?・・・・・・・・きゃあ!」





一瞬、頭がついていかなかった

ドアが悲しい音を立てて閉まった




部屋の中には、あたしと亮平くん


・・・・・・・・どうして?





葵くんの部屋に向かっていた亮平くん

あたしがドアを開けたら後ろにいて

抱きしめられるような形になった







「・・・・・・ちょ、ちょっと、亮平くん・・・・?」




「・・・・雛ちゃん、本当に可愛い

 俺、まじで好きになっちゃたかも・・・・・」




「ちょ、ちょっと!待って・・・・・!」




抱きしめられている形のまま、

すごい勢いでリビングまで引きずられる



< 53 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop