*曖昧模糊*







さっきのことなんてなかったかのように

静かな部屋



たまに、葵くんのため息が聞こえた







「・・・・・・・・」





それにしても・・・・・・怖かった

手が震えて、ズボンのホックを上手くつけれない




もし、葵くんが来なかったら?

どうなってたんだろう?





・・・・・・・・そんなの、経験の少ない

あたしでも・・・・・・・・・、わかる







「・・・・・・・・・雛、着た?」



「・・・・・・・・・」



「・・・・・・・・雛?」



「・・・・・・・・・」



「雛!?」




葵くんの呼びかけに答えられないくらい

喉も目頭も熱くなって、涙が溢れた



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