夜の図書館
その後
三回ほど
また夕食のメニューを聞かれるたびに
丁寧に答えるけれど
会話が途絶える。
そんな時はポケットからキャラメルと取り出すと、義母さんの顔がぱぁーっと明るくなる。
本当は缶ビールでも差し出してやりたいけど
キャラメルで我慢。
意識が私よりキャラメルに移行したので
私は義母さんに背中を向けて帰る準備、
「今日は何を食べるの?」
背中越しに聞かれ
「ビーフストロガノフとアンチョビのサラダとクラッカーにキャビアをのせたやつ」
そう言い残し部屋を出た。
キャビアの味もわからない私なのにね。