夜の図書館

バタバタと玄関まで走り
一度時計をチラ見してから車まで一直線。

もう仕事完了

ほら
ここからが本当の私の時間。

気持ちも軽く
ハンドルを握り
そこから5分の図書館へ向かう。


週に一度の夜の図書館。

貴ちゃんは
知らないだろう。

この時間
私はまだボケたお義母さんとボケた会話をして、面倒をみてくれていると思ってるのだろうな。


「違うよ」

小さく呟き

ささやかな勝利の笑み。

何に勝利したのかは、わからないけれど

いつも
そんな気持ち。




< 21 / 73 >

この作品をシェア

pagetop