眠り姫の唇


「岩城さ…」

「俺をもてあそぶ、お前が悪い。」


いつの間にかブラのホックが外され、急に開放的になる胸元にスルッと大きくて冷たい手が滑り込んだ。

好き勝手暴れる指先に、瑠香は為す術なく鳴き続ける。


的確に刺激を与える動きに身体が勝手に跳ね上がり、瑠香は涙を流した。


「瑠香…っ。」


切なく響くその声に、瑠香は一層甘く痺れる。


…もう、どうして。

抜け出せなくなったら、あなたのせいだ。


シュルルとネクタイを緩める音がして、次に瑠香の胸の上までたくし上げられたTシャツを目の前の男に強引に脱がされた。


玄関の光が部屋の中に差し込んで来て、暗闇にも慣れた目が岩城の顔を捕らえる。



「…!」


岩城のその独特な瞳と目があった。


瑠香は一瞬息を飲む。


…なんて、切なそうな顔をしているんだ。


固まっている瑠香に岩城は一別を送り、素早く胸に顔をうずめ、その先に歯を立てる。

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