眠り姫の唇
「う…ん、なんか常にニコニコ笑ってる人。なんとか英語でコミュニケーションは取れるけど、やたらと日本語教えてくれっていってきて、もしかしたら日本好きなのかも。」
瑠香はこっそり微笑んだ。
多分、日本じゃなくて唯が好きなのだ。
「銀色の、ウェーブのかかった髪してて、瞳は緑色。無邪気で、やたらとモテていけ好かない感じよ。なのに、一緒にいても苦痛じゃないのよ。不思議とね。いい友達とだと思ってたのに、急にそんなこと言い出されたから…正直どうしたらいいか困ってる。」
悩める少女の顔をした唯は貴重だ。今まで見たことがない。
瑠香はにこやかに聞いてみた。
「その人は唯にどんな風に接してくれるの?」
「んー…絶妙というか、空気みたいな。あっさり私の間合いに入ってる感じ。そんなにしっかり打ち合わせしなくてもタイミングがぴったりあってるというか。…その、時々だけど、なんか大事にしてくれてるなぁとかも、思う。」
照れたようにいう彼女に瑠香は笑った。