眠り姫の唇
「なんだ。唯も好きなんだ。じゃあ問題ないじゃない。」
唯がカァッと顔を赤くしながら膝をベチベチ叩く。
「なっ!ちがっ…!…っ。でもさ!普通いきなりプロポーズはなくない?!」
話題をさっと変えて唯は手足をバタバタさせた。
「イギリス式なんだよー。」
「そんなの聞いた事ないし!」
「アハハハ」
瑠香と唯は、暗い中いつまでも話をしていた……。
◆
翌朝、名残惜しい中、駅で唯と別れ、瑠香は気合いを入れて出勤する。
お昼休みに、思い切って岩城に電話してみるつもりだ。
ロスは多分夜の8時ごろだろう。
その時間帯には通じるはず。