眠り姫の唇


「なんだ。唯も好きなんだ。じゃあ問題ないじゃない。」



唯がカァッと顔を赤くしながら膝をベチベチ叩く。


「なっ!ちがっ…!…っ。でもさ!普通いきなりプロポーズはなくない?!」


話題をさっと変えて唯は手足をバタバタさせた。


「イギリス式なんだよー。」


「そんなの聞いた事ないし!」


「アハハハ」



瑠香と唯は、暗い中いつまでも話をしていた……。










翌朝、名残惜しい中、駅で唯と別れ、瑠香は気合いを入れて出勤する。


お昼休みに、思い切って岩城に電話してみるつもりだ。


ロスは多分夜の8時ごろだろう。


その時間帯には通じるはず。



< 211 / 380 >

この作品をシェア

pagetop