眠り姫の唇



「…ウソツキ。」


ゆっくりと唇が離れると、またそれが降ってくる。


この前の激しさと全然違う、優しくて甘いその刺激に全身が芯を持ったように熱くなった。



「あんたがあんな顔をするのが悪い。」


どんな顔よと反論しようにも、すぐに口で口を塞がれ、どうしようもない。


甘い、触れるだけのキスから、今度はゆっくりと唇を舐められる。

徐々に舌が口の中に入って来て、息が苦しくなってきた。


「ん…っ、もう片足の手当ては?」


「後でやる。」


「ふ…っん」


後で、たっぷりと。



なんだそれはと思いながらも、瑠香は大人しくその熱い舌を受け入れた。


なんで、



なんでこんなことになっているんだ。



そう疑問に思いながらも、身体が勝手に目の前の男を求めて仕方がない。


熱を持ち始めた身体が、男の熱を欲しがって言うことが聞かない。


どうしよ…。



止まらない…っ。






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