眠り姫の唇


なんとなくお互い笑いあって、ふふふと見つめ合う。


「じゃあ、岩城さんは浮気とかしないですよね?」


「浮気ぃ?なんでそんな面倒くさい事わざわざしないといけないんだ。」


俺はお前で手いっぱいだ。


そうからかうように呟いて岩城はおかわりに席を立つ。



「本当ですか?美人で女らしくて、ボンキュッボンな人がエロい格好して迫ってきてもですか?」


瑠香は冗談を言うように岩城の背中に投げかける。


どんな状況だよ…と笑う岩城がこちらに歩み寄りながら、席に座る間際に瑠香の頭をポンと触る。


「それが瑠香なら端から端までしゃぶり尽くしてやる。」


ケロッとそんなセリフを吐き、ニヤリと笑った。


「とりあえず今夜はエロい格好で迫ってもらおうか?」


「全力で遠慮しときます。」


「ふっ、」


そう吹き出して、岩城は長い腕を伸ばし、瑠香の頬を優しく撫でた。



「…言いたくないなら、言わなくて良いが、」





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