眠り姫の唇
“ほどよく運動した後の運動は最高。”
岩城の口から出て来た久保井という男の持論に、瑠香は絶句した。
「ここなら汗もその場で流せるし、一石二鳥だな。」
「想像したくない想像したくない想像したくない…」
今度からどんな顔をして前川に会えばいいのか。
絶対目すら合わせられない。
頭を抱える瑠香を面白そうに抱き寄せながら、岩城は耳元に舌を這わせた。
「…俺達もココでするか?」
「…!!!!!」
「フッ。」
大いに岩城は吹き出して、暴れる瑠香を押さえ込む。
「冗談だ。そこ座れ。頭洗ってやる。」
半分無理やり椅子に座らせられ、瑠香はキュッと胸を抱いた。
バスタオル一枚でかなり心もとない。
「べ、別にいいです!そんなの自分でしますっ」
「まぁ、そう言うな。」
ニコニコしながら岩城はシャンプーのボトルをプッシュする。