眠り姫の唇
えぇと、
えぇと、、
瑠香は色んな意味でガンガンする頭をなんとか働かす。
とりあえず、お酒を飲んだ事は明らかだ。
口の中がカラカラと酒焼けしている。
は!服!服は?!
瑠香は生活感の少ない部屋をぐるぐると見回すが、床には落ちていない。
いったいどこにいってしまったのか。。
と、思ったら。
…ハンガーに綺麗に吊ってある。
自分で?それとも彼が?
…駄目だ。思い出せない。
あぁああぁ…と下半身をまだ布団に残しながら(何故なら下はパンツ一丁だから)頭を抱えて呻いていると、隣の男がおもむろに寝返りをうった。
「ん……、」
眉間にシワを寄せて、眠そうに顔を歪める彼の様子は、ヘタな芸能人よりよっぽど色気があって。
瑠香は勝手に疼きだす心臓を心の中で叱った。
すると突然、
「…んん、」
「…キャッ」
布団の中からにゅっと大きな手が出て来て、思い切り瑠香はその中に引きづり込まれた。