眠り姫の唇
晴れて良かった。
前川には太陽が良く似合う。
実は瑠香も後輩代表で式に呼ばれていたのだ。
式はキリスト式で綺麗なチャペルに本人でなくても胸が高鳴る。
久保井の宣言通り、やたら煌びやかな場面があったり、前川の趣味であろう豚のぬいぐるみのウェルカムドールがあったり、とにかく可愛らしい式だ。
瑠香もお洒落に髪をアップし、主役の二人を見つめる。
「本当に綺麗…。」
もともと美人なのに、その特別なドレスの裾を通すだけで、そこには一国のお姫様が現れる。
ため息がでるほど前川は綺麗で、輝いていた。
隣の岩城もそんな二人をただじっと見つめる。