眠り姫の唇

瑠香はとうとう核心に迫る。


「あの、」


「なに。まだなんかあんの。」
上半身を起こし、ガシガシ頭をかきながらTシャツ姿の岩城は時計をみる。





「昨日、私達、ヤってないですよね?」








「………………。」









「…ちょっと!その無言やめてください!!」


半泣きになりながら、瑠香は岩城をぐらぐら揺する。


私にとってはかなり重要な事なんですけど!


そんな態度の瑠香に、しばらく考え込むように沈黙していた岩城だったが、突然顔を上げた。



「…じゃあ瑠香、色々覚えてないんだな?」


え?


ニヤリと笑う岩城に不信感を抱きつつ、さっきから瑠香瑠香とこの男に呼ばれた事のない単語に違和感が出てきた。


なに、昨日の晩いったいなにがあったの?



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