眠り姫の唇
両腕を上げながら、うなじを露わにして、無防備に振り返る着飾った恋人に、岩城は誘われるがまま近付いた。
「そのドレスも脱ぐんだろう?」
そう妖艶に囁いて、岩城は瑠香の首筋に唇を走らせ、後ろのファスナーを歯でくわえた。
「…っ!」
その甘い刺激と仕草に、瑠香も熱を上げていく。
途端に締め付けがなくなった体に、スルリと岩城のわがままな指が侵入してきた。
「ある意味新婚初夜だな。」
「…っ、…人のですけどね。」
スルスルと肌を撫でる太くて節のある指に、瑠香は体をよじる。
色んな所を触りながらも、岩城はドレスを脱がせるのを最後まで手伝った。
それを律儀にシワにならないように机に広げる。
「瑠香、綺麗だったな。」
「普通脱がせてからいいます?」
むくれながらも瑠香は頬を染めた。
「脱いでも、これはこれでかなりイイけどな。」
そう言って、岩城は瑠香の鎖骨に痕をつける。